SBI証券の信用取引で配当金がコストを上回る最低利回りとは?

SBI証券の信用取引で配当金がコストを上回る最低利回りとは?
SBI証券で制度信用取引を利用して配当を狙う投資手法を検討している方に向けて、「配当金で信用取引に係るコストを上回るための最低利回り」について解説します。

信用買いにかかるコストの前提

以下は、100株を1年間信用買いで保有した際の主な費用とその根拠です。
項目根拠年間コスト(100株)備考
買方金利(制度信用)年2.80%株価×2.8%例:株価1,000円なら約1,022円/年
管理費最低110円/月1,320円100株では月11円未満のため最低額が適用
名義書換料55円×2回110円年2回の配当を想定
配当課税源泉 20.315%配当×20.315%信用買いでも税率同じ
※売買手数料(ネット注文)は0円、品貸料(逆日歩)は買方には原則不要なので除外。

損益トントンに必要な税引前配当利回り

配当金の手取りが、金利+管理費+名義書換料を上回るラインを計算しました。以下は株価別の必要税引前利回りです。
株価(1株)金利コスト年間固定費必要利回り(税引前)
1,000円2,800円1,430円5.31%
2,000円5,600円1,430円4.41%
3,000円8,400円1,430円4.11%
4,000円11,200円1,430円3.96%
5,000円14,000円1,430円3.87%
6,000円16,800円1,430円3.81%
7,000円19,600円1,430円3.77%
8,000円22,400円1,430円3.74%
9,000円25,200円1,430円3.71%
10,000円28,000円1,430円3.69%

読み方のポイント

株価1,000円で100株を制度信用買いで1年間保有するなら、
  • 必要な税引前利回り:5.31%
  • 税引後:42.3円/株が手元に残り、金利・固定費合計43.0円/株に対抗
これが最低ラインです。株価が上がるにつれ、固定費(1,430円)の影響が相対的に小さくなるため、必要な利回りは徐々に下がっていきます。

注意点

  • 保有期間が半年以下であれば、金利も管理費も半分になるため、必要配当利回りはさらに下がります。
  • 配当回数や税制、制度変更などによって必要利回りは変動しますので、常に最新情報を確認しましょう。
※配当利回りや金利等の条件は2025年6月時点のものであり、今後変更される可能性があります。